壊れそうなほど。
「あれ、早くない? ……あ」

てっきり佑介かと思ってそう口にしたのに。

目に飛び込んて来たのは、金髪がかったサラサラの長い髪と、真っ白な肌。

ざっくりとした黄色いサマーセーターから、濃い色のジーンズを履いた細い足がスラリと伸びる。

揃った前髪の下のつぶらな瞳が、ほんの少し戸惑ったように揺れた。

俺の心臓も、ぐわんぐわん揺れた。

「あ、えと……優輝斗くん、おはよ?」

サクラ色の小さな唇から、やや低めの甘いハスキーボイス。脳がふにゃふにゃになりそう。

「…………もう昼の2時だけど」

カラカラに渇いた喉から、やっと言葉を絞り出した。

って俺、カンジわる!

「あはは、だよね」

彼女は苦笑いして、ほとんど濡れていない傘をたたんだ。

……二人きりなんて、勘弁してほしい。
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