壊れそうなほど。
(3)
大学祭まであと一週間。
ギターのヤスくんが入院した時はどうなることかと思ったが、助っ人のユキのお陰でなんの心配もなく迎えられそうだ。
ユキは何度か練習する内に慣れたのか、佑介だけではなく、他のメンバーとも話すようになった。まあ口数は少ないし、相変わらず愛想はよくないけれど。
「ちんちくりん、そこの水取って」
「はい。って、ユッキーさん! シゲ、ちんちくりんじゃないもんっ」
シゲちゃんが頬をぷうっと膨らます。
「ユキとシゲちゃんって仲よしカップルみたい」
わたしが何気なく放った言葉に、水を飲んでいたユキはぴたりと動きを止めた。
真っ黒な瞳が、こちらをじっと見つめる。
あ、また吸い込まれる……。
ユキに見つめられると、わたしは何故か、身動きが取れなくなる。いつも。
ギターのヤスくんが入院した時はどうなることかと思ったが、助っ人のユキのお陰でなんの心配もなく迎えられそうだ。
ユキは何度か練習する内に慣れたのか、佑介だけではなく、他のメンバーとも話すようになった。まあ口数は少ないし、相変わらず愛想はよくないけれど。
「ちんちくりん、そこの水取って」
「はい。って、ユッキーさん! シゲ、ちんちくりんじゃないもんっ」
シゲちゃんが頬をぷうっと膨らます。
「ユキとシゲちゃんって仲よしカップルみたい」
わたしが何気なく放った言葉に、水を飲んでいたユキはぴたりと動きを止めた。
真っ黒な瞳が、こちらをじっと見つめる。
あ、また吸い込まれる……。
ユキに見つめられると、わたしは何故か、身動きが取れなくなる。いつも。