壊れそうなほど。
「うわー、キゲンわるっ。沙奈のせいだかんな」

「だから、なんで……」

言いながらユキの顔色をチラリと窺えば、ぷいっと窓の方を向く。横顔を覆う長い前髪で、ATフィールド全開だ。取り付く島もない。

「佑介ぇ」

思わず斜め前の佑介に助けを求める。彼ははぁーっと大きくため息をついた。

「……しょうがねえなあ。ユッキー、このあとの予定は?」

「別に。家帰るだけ」

ボソボソとユキが答える。

「沙奈は?」

「わたしも家に帰るけど……なんで?」

聞き返すと、佑介は突然トレイを持って立ち上がった。

「オレ、四限あるからもう行くわ。あとは二人で仲よくごゆっくり!」

「「は?」」

わたしとユキの声がハモった。
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