壊れそうなほど。
また視線がぶつかり、簡単に絡め取られ、吸い込まれていく。

そっぽを向かれて寂しかったのに、見つめられたら途端に緊張して、心拍数が上がった。

なんか変だ。

「沙奈って、佑介と仲いいよね」

「ん、佑介? あーうん、まあね」

何故、唐突に佑介の名前が出てきたのだろう。わからないまま曖昧に答える。

「カップルみたいだよね」

「えー。どこが?」

心臓がばくばくするせいで、声が変に上ずった。

「いつもイチャついてんじゃん」

ユキはなんだかいつもよりよく喋る。ふてくされた子供みたいに、少し口を尖らせた。

「なんか、ムカつく」

「えっ?」

びっくりして、思わず大きな声を出す。

だって、今の言い方、まるで……。

「ユキ、それ……ヤキモチ?」

そう訊いたら、ユキの顔がみるみる内に赤くなった。
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