壊れそうなほど。
「てかさ。サークル名、くそダサい」

背中のギターケースを下ろしながら、俺はつい思ったことを口にした。

「ちなみに略してM研だから」

「なおダサい。てか怪しい科学研究所?」

なんて軽口を叩いていたら、窓がガラッと開いて、広場から多田さんとちんちくりんが入ってきた。二人と挨拶を交わしてから、あれ? とキョロキョロ辺りを見渡す。

「沙奈さんならメイク直しに行ってますよぉ」

ちんちくりんがニヤニヤ笑って言った。

「別に探してないし」

「優輝斗くん。今日の沙奈ちゃん、すっごく可愛いよー」

「はあ」

多田さんまでからかってくる。最近いつもだ。誰に話したわけでもないのに、なんでこうなった。

「ユッキーさあ、もっとガンガン攻めれば?」

佑介がチューニングを軽く直しながら言った。
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