壊れそうなほど。
この油そば、発砲スチロールに入った300円のくせに結構うまい。

でも、どうしても視界に入る沙奈の白い太もものせいで、食事がままならない。てか、スカート短すぎじゃない?

「ねえ、ユキ」

沙奈が不意に箸を止めて、こちらを向いた。

「え、なに?」

慌てて太ももから彼女に視線を移したら、顔が近すぎて息が止まるかと思った。これはこれで心臓に悪い。

「ユキのこと訊いてもいい?」

「俺のこと? いーけど」

「あのね、今さらだけど、ユキって何歳?」

「ハタチ。佑介とタメ」

「じゃあ、わたしの1こ下だ」

そういえば、俺も今初めて沙奈の年齢を知った。

そっか、沙奈って年上なんだ。まあ、1こ差なんて関係ないけど。
< 54 / 195 >

この作品のキーワード

この作品をシェア

pagetop