壊れそうなほど。
(1)
秋というのは厳密に言うといつからなのだろう。
木々の葉はまだ鮮やかな緑色を保っているし、陽射しはじりっと強くて、羽織っていた薄手のパーカーを思わず脱いだほどだ。10月の頭はまだ夏の終わりのように感じる。
けれど、ふと見上げた先に真夏のような雲のかたまりはなく、空の青はどこまでも高く澄み渡っている。やっぱり季節はもう秋なのかもしれない。
正門から食堂前に続く自然たっぷりの道すがら、そんなことを考え、つい歩みを緩めたところで、
「沙奈ー! 早くしろー」
大きな声がわたしを促した。
声がした食堂前広場の方に視線をやれば、今日の空のように鮮やかなスカイブルーのTシャツに、太いジーパンを履いた男が仁王立ちしていた。日光を浴びて、フワリとした金髪がキラキラと眩しく輝く。
木々の葉はまだ鮮やかな緑色を保っているし、陽射しはじりっと強くて、羽織っていた薄手のパーカーを思わず脱いだほどだ。10月の頭はまだ夏の終わりのように感じる。
けれど、ふと見上げた先に真夏のような雲のかたまりはなく、空の青はどこまでも高く澄み渡っている。やっぱり季節はもう秋なのかもしれない。
正門から食堂前に続く自然たっぷりの道すがら、そんなことを考え、つい歩みを緩めたところで、
「沙奈ー! 早くしろー」
大きな声がわたしを促した。
声がした食堂前広場の方に視線をやれば、今日の空のように鮮やかなスカイブルーのTシャツに、太いジーパンを履いた男が仁王立ちしていた。日光を浴びて、フワリとした金髪がキラキラと眩しく輝く。