壊れそうなほど。
俺がライブでミスったことを、誰も責めなかった。彼氏出現で動揺してるから仕方ないって? まじで惨め。
「優輝斗くん、ごめんね。あの二人がまだ付き合ってたなんて知らなくて」
多田さんにそう謝られて、余計に情けない気持ちになった。
「沙奈ちゃんが1年、啓吾さんが4年の時に付き合ってたのは知ってたけど、そのあと沙奈ちゃんから啓吾さんの話聞かなかったし、去年の大学祭は啓吾さん来なかったし……」
いや、そんな話はどうでもいい。頼むから、ミスった俺を責めてよ。
「ユッキー。なんか……焚きつけるようなこと言ってごめんな。沙奈に彼氏いるとか知んなくてさ」
佑介にまでガチ謝罪されて、顔から火が出るほど恥ずかしい。
深いため息をついていたら、誰かが俺の背中を、パンッ! と勢いよく叩いた。