壊れそうなほど。
「じゃ、やりますか」
多田さんから声がかかった。
みんなが所定の位置についたら、全ての照明がフッと落ちた。
──しーんと静まり返る広場。
多田さんのスティックがカウントを取る。
佑介の地を這うようなベースと、多田さんの疾走する16ビート。
続いて、シゲちゃんの叩くようなピアノ。
ギュイーン!
ユキのギターが高いうねりを上げ、クラッシュシンバルが鳴り響いた瞬間。
パッとステージがまばゆくライトアップした。
大気が震える。ぶわっと鳥肌が立つ。
高揚感を抑えきれないまま、わたしはマイクを握りしめて歌い始める。
わたしの歌声は、ステージの両脇にある大きなスピーカーから、夜空に向かってぐわーんと大きく響き渡った。
なにこれ気持ちいい。たまんない。