君と近づく春


「よっしゃー! 初めて高宮に勝った!」


真崎くんは自慢げな顔で作品を見せてくる。


本当に腹が立って、同時に自分が不甲斐なくて必死にやり直しをしていると、


「高宮さんでもできないことあるんだ」


仙崎くんは少し笑ったような声でそう言った。


こ、こいつもか! こいつもバカにしてくるのか!


冷静さを欠いた私はばっと顔を上げた。


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