君と近づく春
結局サーブは二本とも決まり、もう一つのセットも奪った私たちは快勝で1試合目を終えた。
「はぁ……終わったね」
「うん! あれ? なんでそんなに疲れてるの?」
「いや、別に……」
喜びに浸るチームメイトたちを横目に、私はなんだかどっと疲れが出てきた。
あれが俗に言う胸キュンシチュエーションとやらなのだろうか、緊張しすぎてどんなプレーをしたのか記憶が曖昧なくらいだ。
でも、すごく、嬉しかった。