君と近づく春


「次の試合は昼過ぎか……結構空くね」



「うん。じゃあ、なんか暇つぶしでもする?」



そう言って茉莉が取り出したのはトランプ。



合唱部のムードメーカーらしい彼女は、いつもこういう遊び道具を持っている。



「山ノ井くん! 一緒にやろう!」



すぐそばにいた山ノ井くんを誘って、茉莉はババ抜きを提案した。



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