君と近づく春


「それで、何がいい? さっきは私が勝ったから選ばせてあげる」

私はそんなことを言ってしまった。


いけない、可愛くないなぁ。中学時代部活に明け暮れていたせいか、可愛い女の子っぽい言動がいまいち上手くできない。


それに、自分でハードルを上げてどうするんだ!


これでは自信ありますよって言っているようなものじゃないか!


仙崎くんはクスリと笑って、


「じゃあ、ポーカーで」


とカードを切り始める。

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