君と近づく春


1時から始まる私たちの試合には、クラスや学年を問わず沢山のギャラリーが詰め寄せていた。


「レフト! 凛いけ!」


スパイクを一本打つだけで、ざわめきが起こる。



そこで私は、さっきの試合が口コミかなんかで広がってこんなに人が見にきているのかと気づいた。


恥ずかしいというわけでもないが、この学校にだって女子バレー部があるわけで、その子たちよりも目立ってしまっては後々面倒臭いかもしれないなんてことを思う。


「高宮さーん! がんばれー!」


「凛ちゃーん!!」


そして、一番うるさいのはもちろんクラスメイトだが、皆本気で応援してくれているので頑張ろうという気になれる。

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