私たちの六年目
職場の後輩
「おーい、江坂。司会の子はまだ来てないのか?」
「車が渋滞しているみたいで、少し遅れるそうです。
さっき連絡がありました」
「江坂先輩、これはどこに置いておけばいいですか?」
「えっと、それは景品の隣に置いておいて」
「はい、わかりました」
とある店舗のフロアで、スタッフ数名が慌ただしく動き回っている。
私が就職したのは、大小様々なイベントの運営を手がけるイベント会社。
土日や祝日がメインの仕事だから、ゴールデンウィークやお盆休みなどは基本的に休むことが出来ない。
今日は、新規オープンしたお店の開店イベント。
新聞折込で宣伝も大々的にしたから、多くのお客様の来店が見込まれている。
これは忙しくなりそうだ。
私達は一日中息つく暇もなく動き回り、その甲斐あってイベントは大成功だった。
「菜穂。安田さんがこの後みんなでご飯に行かないかって言ってるけど、どうする?」
全ての片付けが終わってそろそろ解散という頃になって、同期入社で仲良しのアキが言った。
「あー、ごめん。今日はパス。昨日帰りが遅くなっちゃって寝不足なのよ。帰って寝るわ。明日もイベントがあるしね」
「そっかあ。じゃあ、そう伝えとく」
「うん、ごめんねー」
アキに手を振ると、私はお店を後にして、駅までの道をゆっくりと歩き始めた。
あぁ、さすがに睡眠時間3時間はきつかったな。
帰ったらお風呂に浸かって、ゆっくり寝よう。
そんなことを一人で考えていたその時。
「菜穂先輩」
爽やかな声が、風に乗って私の耳に届いた。
「車が渋滞しているみたいで、少し遅れるそうです。
さっき連絡がありました」
「江坂先輩、これはどこに置いておけばいいですか?」
「えっと、それは景品の隣に置いておいて」
「はい、わかりました」
とある店舗のフロアで、スタッフ数名が慌ただしく動き回っている。
私が就職したのは、大小様々なイベントの運営を手がけるイベント会社。
土日や祝日がメインの仕事だから、ゴールデンウィークやお盆休みなどは基本的に休むことが出来ない。
今日は、新規オープンしたお店の開店イベント。
新聞折込で宣伝も大々的にしたから、多くのお客様の来店が見込まれている。
これは忙しくなりそうだ。
私達は一日中息つく暇もなく動き回り、その甲斐あってイベントは大成功だった。
「菜穂。安田さんがこの後みんなでご飯に行かないかって言ってるけど、どうする?」
全ての片付けが終わってそろそろ解散という頃になって、同期入社で仲良しのアキが言った。
「あー、ごめん。今日はパス。昨日帰りが遅くなっちゃって寝不足なのよ。帰って寝るわ。明日もイベントがあるしね」
「そっかあ。じゃあ、そう伝えとく」
「うん、ごめんねー」
アキに手を振ると、私はお店を後にして、駅までの道をゆっくりと歩き始めた。
あぁ、さすがに睡眠時間3時間はきつかったな。
帰ったらお風呂に浸かって、ゆっくり寝よう。
そんなことを一人で考えていたその時。
「菜穂先輩」
爽やかな声が、風に乗って私の耳に届いた。