私たちの六年目
晴れない心
混み合った蒸し暑い電車内、俺は時折フラつきながらも必死に足を踏ん張って立っていた。
金曜のこの時間は乗客の乗り降りが多いから、おそらく目的地までずっと立ちっぱなしになるだろう。
俺の職場から梨華の部屋までは、電車と徒歩で約1時間半。
仕事帰りに行くには、正直身体がきつい。
もう少し近ければ助かるのにと思った。
つい先日、梨華の両親と顔合わせをした。
梨華が言うには、ご両親は俺のことをとても気に入ってくれたそうだ。
確かに別れ際、「梨華をよろしくお願いします」と何度も頭を下げられた。
それは、とても喜ばしいことだ。
これから、長い付き合いになるのだから。
だけど……。
あの日以来、やけに気持ちが沈む。
そんな俺に、梨華はちっとも気づいていない。
毎日LINEで、式場をどこにするかとか、どんなドレスを着ようかとか、そんなことばかり話している。
正直、俺は今そんなことまで考えられない。
それよりも気になるのは……。
あの日、偶然会った菜穂のこと。
まさかあんなところで、菜穂に会うとは思っていなかった。
すごく嬉かった。
それはもう、泣きたいくらいに。
俺が落ち込んでいることを、菜穂はすぐに気づいてくれて。
やっぱり菜穂はすごいなと思った。
金曜のこの時間は乗客の乗り降りが多いから、おそらく目的地までずっと立ちっぱなしになるだろう。
俺の職場から梨華の部屋までは、電車と徒歩で約1時間半。
仕事帰りに行くには、正直身体がきつい。
もう少し近ければ助かるのにと思った。
つい先日、梨華の両親と顔合わせをした。
梨華が言うには、ご両親は俺のことをとても気に入ってくれたそうだ。
確かに別れ際、「梨華をよろしくお願いします」と何度も頭を下げられた。
それは、とても喜ばしいことだ。
これから、長い付き合いになるのだから。
だけど……。
あの日以来、やけに気持ちが沈む。
そんな俺に、梨華はちっとも気づいていない。
毎日LINEで、式場をどこにするかとか、どんなドレスを着ようかとか、そんなことばかり話している。
正直、俺は今そんなことまで考えられない。
それよりも気になるのは……。
あの日、偶然会った菜穂のこと。
まさかあんなところで、菜穂に会うとは思っていなかった。
すごく嬉かった。
それはもう、泣きたいくらいに。
俺が落ち込んでいることを、菜穂はすぐに気づいてくれて。
やっぱり菜穂はすごいなと思った。