私たちの六年目
「私みたいなのがタイプだとしたら、趣味が悪いわよ」
顔はいたって平均的だし、スタイルが特別いいわけでもない。
大酒飲みで、色気も全然ないのに。
「そんなことないですよ!」
突然大きな声を出す崎田君に、ドキッと心臓が跳ねた。
「菜穂さんは、人一倍仕事を頑張るし。
誰に対しても優しいし、後輩の面倒見はいいし。
みんなから頼りにされてて、すごく魅力的ですよ……」
崎田君があまりにも真剣な顔で言うから、頬がなんだか熱くなって来た。
「あの、ありがとね。こんな私のこと、そんなふうに言ってくれて……」
「そんなお礼なんていらないですから。
それより、僕のことをもっと知ってください。
だから、まずは二人で会ってゆっくり話しませんか?」
「あー……と、えっと……」
「ちょっ、そこはいいよって言ってくださいよ。
そんな小さなチャンスすら与えてくれないなんて。
僕ってそんなに魅力ないですか?」
「ううん、そんなことないよ。
崎田君は仕事の覚えも早いし、よく気がつくし、素直ないい子だと思ってるよ」
整った可愛い顔だし、雰囲気からして絶対モテそう。
こんな彼氏を持てたら、女の子はきっと幸せだと思う。
「だったら、二人で飲みに行くくらい許してくださいよ」
「うーん……」
飲みねぇ……。
どうなんだろう。
飲みに行ったって、私……。
「ねぇ、菜穂さん」
「ん?」
「もしかして……。
誰か好きな人がいるんですか……?」
顔はいたって平均的だし、スタイルが特別いいわけでもない。
大酒飲みで、色気も全然ないのに。
「そんなことないですよ!」
突然大きな声を出す崎田君に、ドキッと心臓が跳ねた。
「菜穂さんは、人一倍仕事を頑張るし。
誰に対しても優しいし、後輩の面倒見はいいし。
みんなから頼りにされてて、すごく魅力的ですよ……」
崎田君があまりにも真剣な顔で言うから、頬がなんだか熱くなって来た。
「あの、ありがとね。こんな私のこと、そんなふうに言ってくれて……」
「そんなお礼なんていらないですから。
それより、僕のことをもっと知ってください。
だから、まずは二人で会ってゆっくり話しませんか?」
「あー……と、えっと……」
「ちょっ、そこはいいよって言ってくださいよ。
そんな小さなチャンスすら与えてくれないなんて。
僕ってそんなに魅力ないですか?」
「ううん、そんなことないよ。
崎田君は仕事の覚えも早いし、よく気がつくし、素直ないい子だと思ってるよ」
整った可愛い顔だし、雰囲気からして絶対モテそう。
こんな彼氏を持てたら、女の子はきっと幸せだと思う。
「だったら、二人で飲みに行くくらい許してくださいよ」
「うーん……」
飲みねぇ……。
どうなんだろう。
飲みに行ったって、私……。
「ねぇ、菜穂さん」
「ん?」
「もしかして……。
誰か好きな人がいるんですか……?」