私たちの六年目
「それ言ったらさ、オレのところにも梨華からLINEが来るぞ」


「守のところにも? なんて?」


身を乗り出す郁未。


「色々聞かれるけど、印象的だったのはさ。

田舎から両親が出て来るから、秀哉との顔合わせの食事会はどこがいいと思う?って」


「え……?」


梨華は、守にそんなことを聞いていたのか?


「よくわかんねーから、どうせなら○□ホテルのフランス料理でも食べたら?って冗談で言ったんだけど。

結局それ、どうなった?」


「どうなったって、そんなの……。

梨華が○□ホテルのディナーを予約してたから、そこになったよ」


「げっ!

それ、むちゃくちゃ高かっただろう?」


高いなんてモンじゃなかった。


しかも、支払いは俺持ちだったし。


結構痛い出費だった。
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