私たちの六年目
「秀哉……」
うそ……。
本当に……?
まさか秀哉がここに来るなんて。
絶対に来ないって思っていたのに。
どうしよう。
秀哉の姿を見ただけで、なんだか泣きそうになる。
秀哉はここまで走って来たのだろうか?
額に汗をかいて、肩で大きく息をしていた。
「イベントに来てくれたんだよね?
でも、ついさっき終わっちゃったんだ」
時間を案内していなかったら、間違えたのかもしれない。
申し訳なかったな。
「あっ、そうだ。
せっかく来てくれたんだし。
秀哉、ここにある花を持って帰らない?
捨てちゃうから、好きなだけ持って帰ってもいいんだって。
花束を作ってプレゼントしたら、きっと梨華も喜ぶと思うよ」
確かあの子も、花が好きだったはずだから……。
さっきから何も言葉を発しない秀哉。
私だけが、一方的に話している。
一体どうしたんだろう……。
さすがの私も、それ以上言葉が出て来なくて。
テントの入口と奥で、じっと向かい合っていた。
「菜穂……」
しばらく無言だった秀哉が、ようやく口を開いた。
せつなそうに呼ばれて、ドキッと心臓が跳ねた。
「菜穂……!」
もう一度私を呼んだかと思ったら、秀哉はスタスタと急ぎ足で私の方に向かって歩いて来て。
いきなりガバッと私を抱き寄せた。
その反動で、持っていた花束が手の中から離れて。
パサッと地面へ落ちていった。
うそ……。
本当に……?
まさか秀哉がここに来るなんて。
絶対に来ないって思っていたのに。
どうしよう。
秀哉の姿を見ただけで、なんだか泣きそうになる。
秀哉はここまで走って来たのだろうか?
額に汗をかいて、肩で大きく息をしていた。
「イベントに来てくれたんだよね?
でも、ついさっき終わっちゃったんだ」
時間を案内していなかったら、間違えたのかもしれない。
申し訳なかったな。
「あっ、そうだ。
せっかく来てくれたんだし。
秀哉、ここにある花を持って帰らない?
捨てちゃうから、好きなだけ持って帰ってもいいんだって。
花束を作ってプレゼントしたら、きっと梨華も喜ぶと思うよ」
確かあの子も、花が好きだったはずだから……。
さっきから何も言葉を発しない秀哉。
私だけが、一方的に話している。
一体どうしたんだろう……。
さすがの私も、それ以上言葉が出て来なくて。
テントの入口と奥で、じっと向かい合っていた。
「菜穂……」
しばらく無言だった秀哉が、ようやく口を開いた。
せつなそうに呼ばれて、ドキッと心臓が跳ねた。
「菜穂……!」
もう一度私を呼んだかと思ったら、秀哉はスタスタと急ぎ足で私の方に向かって歩いて来て。
いきなりガバッと私を抱き寄せた。
その反動で、持っていた花束が手の中から離れて。
パサッと地面へ落ちていった。