私たちの六年目
「でも……。

今年の初め、会社帰りに美容院に行った時だった。

その日私は、ストレートパーマをかけてもらってたんだけど。

施術に時間がかかって、閉店時間を過ぎちゃったの。

他のスタッフさん達は全員帰って、お店の入口にはクローズドがかけられて。

お店に彼と二人きりになって、なんだかドキドキした。

初めて彼を異性として意識したかもしれない。

それは向こうも同じだったのか、この後一緒にご飯を食べないかって誘われたの。

それが、最初のきっかけ」


梨華が言うには、二人はその日食事に行き、連絡先を交換。


その後も何度か飲みに行ったり、食事に行ったりしていたらしい。


ある時、男が梨華の部屋で飲みたいと言い出して。


初めて部屋に招き入れたその日の夜に、一線を越えたらしい。


そこからはもう完全に、男女の関係になっていったのだとか。
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