私たちの六年目
「そんな時だった。
私のお腹に、彼との赤ちゃんが出来たのは。
すごく戸惑ったけど、でも同時に……。
もしかしたらこれをきっかけに、私と一緒になってくれるかもしれないって思ったの。
子供が好きな彼だし、私達の子供を見てみたいんじゃないかなって。
だけど……」
そう言うと彼女は、悲しそうに自分のお腹にそっと手を置いた。
「ごめんって言って、お金を渡された……」
「梨華……」
「向こうから仕掛けてきたくせに。
私のことが好きだって言ってたくせに。
それなのに、子供が出来たらあっさりと捨てたのよ。
そんなヤツよ。
だから、もう全然好きじゃない!
好きじゃないけど……。
でも……」
梨華の目に一気に涙が溜まる。
そして、それはあっという間に彼女の頬を伝っていった。
「本当は一緒になりたかった……。
彼と結婚したかった……っ!」
そう言って梨華が、わぁっとベッドに顔を伏せた。
やっぱりそうか……。
梨華は、不倫相手の男にまだ未練があったんだ。
必死に忘れようとはしているけれど。
でも、なかなかうまくはいかない。
それもそのはず。
梨華は一度人を好きになると、その人のことしか見えなくなるんだ。
大学教授に対しても、ものすごく一途だった。
それは、俺が一番良く知っている。
だから、相手が既婚者だろうが。
一度好きになったら、もう後へは引けなかったんだ。
こんな結末を迎える可能性があるとわかっていても……。
私のお腹に、彼との赤ちゃんが出来たのは。
すごく戸惑ったけど、でも同時に……。
もしかしたらこれをきっかけに、私と一緒になってくれるかもしれないって思ったの。
子供が好きな彼だし、私達の子供を見てみたいんじゃないかなって。
だけど……」
そう言うと彼女は、悲しそうに自分のお腹にそっと手を置いた。
「ごめんって言って、お金を渡された……」
「梨華……」
「向こうから仕掛けてきたくせに。
私のことが好きだって言ってたくせに。
それなのに、子供が出来たらあっさりと捨てたのよ。
そんなヤツよ。
だから、もう全然好きじゃない!
好きじゃないけど……。
でも……」
梨華の目に一気に涙が溜まる。
そして、それはあっという間に彼女の頬を伝っていった。
「本当は一緒になりたかった……。
彼と結婚したかった……っ!」
そう言って梨華が、わぁっとベッドに顔を伏せた。
やっぱりそうか……。
梨華は、不倫相手の男にまだ未練があったんだ。
必死に忘れようとはしているけれど。
でも、なかなかうまくはいかない。
それもそのはず。
梨華は一度人を好きになると、その人のことしか見えなくなるんだ。
大学教授に対しても、ものすごく一途だった。
それは、俺が一番良く知っている。
だから、相手が既婚者だろうが。
一度好きになったら、もう後へは引けなかったんだ。
こんな結末を迎える可能性があるとわかっていても……。