【完】好きよりもキスよりも…
部屋に戻ると、濡れた髪をタオルで拭きつつ新條が声を掛けてくる。


「あーやーちゃぁん!これからどうするー?」


それがなんだか『あなた~、ご飯にする?それともあたし~?』な感じに聞こえて、
マジマジと新條の顔を見つめちゃったりして。
新條に可愛くそんなこと言って欲しいけど、多分ムリだろうなぁと苦笑い。


「んー…ご飯まで時間あるしねぇ?お風呂にでも入ろっか?」


じぃっと見つめ過ぎて、不審そうな顔をし始めた新條に慌てて答えを返す。
でも、そんなコトを微塵も感じさせないのはオレの得意分野かな……?


「ほんと?じゃあさ、大浴場行く!きっと今なら空いてるし!」


ウキウキと楽しそうにそんなことを言う新條に、色々思うことがあって。
お仕置きしたい気持ちを込めて、思わず後ろから抱き締めた。

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