【完】好きよりもキスよりも…
「…ごちそーさまでした」

「………もうー。あーやちゃんっ!私、もう動けない……だから、風呂、連れてって…?」



完全に腰の立たなくなった新條からのお願いで、またお姫様抱っこをして、バスルームまで歩いてる間、文句の一つもない新條に、『ちょっといじめ過ぎちゃったかな?』なんて罪悪感。
けど、心配そうに見てたオレに気付いたのか、『そんな顔しないでよ』って柔らかく笑ってくれて、羽根みたいに優しくしてあげたい気持ちで一杯になる。
バスルームのドアを新條に開けて貰って中に入ると。
浴槽にお湯を溜めるのももどかしくて、そのまま新條を降ろしてからシャワーを出した。
適度な心地よさのお湯を浴びながら、新條が手招きしてくる。


「早く入って来なよ、あやちゃん」


その言葉に甘えて狭いユニットバスの中に入り込むと、新條が伸ばしてきた手を握る。
それから、どちらからとも言えないようなキスをして。
触れ合った場所からまた熱が生まれるのを感じた。
新條は、凄い機嫌良さそうにくすくす笑って、


「やっぱ、皆でいるのも楽しいけど、あやちゃんとこうしてんのが一番だよね」


なんて、可愛いことを言ってくれちゃってて。
誠人サン、更にメロメロです。


結局、その狭いユニットの中でも求めちゃって。
シャワーのお湯が一杯にやる頃には、新條が逆上せちゃってた。

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