平凡ガールと双子アイドル～白と青の王子～

青の王子*1

ついそう言ってしまったことを自覚し、慌てて両手で口を抑えるも、目の前にいる彼には聞こえていたみたい。

みるみる顔を不機嫌そうに歪ませていく。



(やっぱり...桐生葵じゃなかったのかも？世界に似てる人は3人いるっていうし)




私が知る桐生葵(きりゅう あおい)は、いつもキラキラ笑顔を振りまいていて、ファンサービスも手厚いといわれているアイドルだ。
パフォーマンスのレベルも高くて、特にダンスはプロレベルといってもいい。




「やっぱりあんた...最近俺のことつけてきてるストーカー？やめてよね、すごい迷惑なんだけど」


『えっ？あ、じゃあやっぱり...桐生葵さんなんですか？』


「...そうだけど。その返事からするにストーカーではないわけ？」


『だから、違います！私は本当にこの場所が気に入っていて、よく星を見に来るんです』


「ふぅん...」




(ほ、本物だった〜！？わ、ど、どうしよ。急に変な汗かいてきた)


(テレビで見ても驚くほど美形な顔してるのに、実際にみるとそれよりも綺麗な顔してるなんて...)




「で、あんたいつまでそこでもじもじしてるわけ？視界に入って鬱陶しいんだけど」


「星、見に来たんじゃないの。俺のことはほっといてさっさと見てれば」


『は...。あ、はい、そうですね...』




(なんか、キャラが全然違う？こんな冷たい話し方する人だっけ...。それとも、これが桐生葵の素顔だったりするのかな)


(...まあ、芸能界なんてそんなものだよね。裏表があるのは普通のこと)




私も、そうだった。