平凡ガールと双子アイドル~白と青の王子~
青の王子*2
『あの、桐生...葵さんは、どうしてここに?』
「...星を、見に来た。あんたと同じだよ。この場所が好きなの」
『そうなんですね』
思い切って話しかけると、普通に返事をしてくれた。
この場所が好き。
自分と同じような人がいてさっきは複雑な気持ちとか思っていたけれど、今は少し嬉しいかもしれない。
『......綺麗ですね』
「まあ」
(微妙な返事...)
「...ねぇ、あんた。隣くる?」
『へっ!?』
思ってもみなかった発言に、自分でも驚くほどの声が出てしまった。
だって、まさか桐生葵にそんなことを言われる日が来るとは...。
『な、何故でしょうかっ』
「は?何故って、嫌ならいいけど。ただの気まぐれだし」
『あっ、嫌とかじゃなくて!ただ、私みたいな普通なやつがいいのかなぁと』
「普通とか、関係ないでしょ。それにそこでうじうじされてる方が迷惑だから」
「せっかくのこの景色が台無しになるでしょ?分かったならほら、早く来て」
『っ。じゃ、じゃあ失礼します...』
本物のトップアイドルを目の前にして、未だ鳴り止まない心臓の音に合わせながらそろそろと桐生葵に近づいた。
その間も、私が隣に座った時も、桐生葵はただじっと空を眺めていた。
そして、しばらくたった時。ふとこんなことを聞いてきたのだ。
「...あんたはさ、俺たち『Origin』が解散したこと、もう知ってるの?」
『え...?あ、はい。友達から聞きました』
「そう。それで、どう思った?」