平凡ガールと双子アイドル~白と青の王子~

青の王子*3



どう思ったか。なぜこの人がそんなことを聞いてきたのかは分からない。
けれど、真剣な表情で聞かれていることなのだから、真剣に答えるべきだろう。



『どう、と言われると...。そうですね、驚きはしました』


「だろうね。でも、ファンじゃないなら悲しくはならなかったでしょ?」


『え、ええと、まあ...』


『でも、悲しいとは別かもしれないですけど、寂しい気持ちは少しあります』


「どうして?」


『う〜ん...。日常的に見ていた人達が急にいなくなってしまうから、ですかね』


『例えば、いつも一緒にいる訳ではないけれど、それなりに親しかったクラスメイトが転校してしまったら、悲しくなりませんか?』


「たとえが分かりにくすぎる。それに、俺だったらそれで悲しくはならない」


『うっ...。そ、そうですか?私は、なるんですけど』


「...まあ、寂しさを感じる気持ちはファンじゃなくてもあるんだって分かったからいいよ」


『す、すみません。説明が下手くそで』


「下手だけど、タメになったからいい。それじゃあ、俺はもういくから」


『え?もう帰るんですか?これからが1番星が綺麗な時間ですよ』


「...いいの。星を見たいんじゃなくて、この星空をみて落ち着きに来たたけだから」



それだけを言い残し、直ぐに去ってしまった。



(アイドルって、去り方までカッコイイんだ...。落ち着きに来た、って事は仕事とかで何かあったりしたのかな。それこそ、『Origin』解散のことで色々悩んでたり...)


(いいや、やめよう。私が考えたって仕方ないことだし、もう関係ない人なんだから)


(昔の私ならともかく。もう、別の世界の人なのだから...)

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