目が覚めると君がいた【短】



「どうぞ」



ドアの奥から声がする
多分母親の声


「失礼します…」


うつむき加減で
入った俺は

なんて切り出せば
いいかすごくテンパっていた


「…松浦…陸哉です…」


そう俺が言った後
その子の母親は
少し考えた様子で


「…こっちに座って」


そう言った

俺はドキドキしながらもあの子の横に座った



まだ



意識の戻ってない
あの子の横に




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