目が覚めると君がいた【短】




「祐太…祐太って言うのよ」



その子の母親が
沈黙の中俺に言う



「俺…俺が」


「陸哉君が悪いんじゃないわ
運転してた人が悪いの」



その子の母親は
少し悲しそうに笑ってそう言った



「すいません…
俺…知らなくて…」


「記憶…無いんでしょ?」



俺は下を向いてた顔を
勢いよく上げた


「なんで知って…」


「陸哉君も意識が戻らなかったでしょ?その時に初めて陸哉君のお母さんとお会いしたの」


母さん…
なんも言ってなかった
会った…
なんて一言も


「それから
何回かお互いの状況を報告してたの」


あぁ多分…
俺に負担をかけないように
伝えなかったのか…



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