【短】青空なんて、いつもみえない。
だけど、バスケ部は違う。
はやく始まって遅く終わる。
どんなにすきでも、青空を1度もみられないなんて、倉山くんにとって、つらいなんて言葉じゃ足りない。
「公園でみた、あの夕焼けすらも、青空じゃないから大っ嫌いなはずだった」
そこで切ると、大きく息を吸い込んだ
「……綺麗だったんだ」
ぽつりと呟かれた声は、悲しみだけじゃなかった。
「夕焼けは綺麗で、熱心に写真を撮る園田もキラキラしてて。
本当にやりたいことを、自身もってやれているんだなって思った。
俺もバスケがだいすきだから続けてるんだって、思い出した」
私は、なにも言わずに聞いていた。
「園田が部活に来てくれるようになってからは、めちゃめちゃ楽しかったよ」
ニッと笑うから、我慢の限界がきた。