【短】青空なんて、いつもみえない。
「……なんで、園田が泣くの」
ぼろぼろと泣く私。倉山くんが、涙をぬぐってくれる。
「だって……そんなふうに思ってもらってるなんて……予想もしてなかった。
倉山くんの悩みを、一緒に解決したいと思った……!」
言葉にすると、倉山くんは微笑んだ。
「……私、これから、倉山くんのために空を描くよ。
倉山くんがバスケしてるあいだ、青空を描いてる。
だから、それをみてほしいなぁ、なんて……」
言ってて、声がだんだん小さく、消えるようになってしまった。
図々しいよね、自分の絵に自身がありすぎだよね。
反省していると、倉山くんは「ふは」と笑った。
「楽しみにしてる」
……その笑顔も、描きたいな。
きっと、気がつくのは遅すぎたけれど。倉山くんにたいして抱いている、この気持ちは……。