【短】青空なんて、いつもみえない。
そのあと、倉山くんは、文化祭の絵のすきなところをあげてくれた。
全部、私が意識したことそのもので、会話はとても弾んだ。
それから、私は毎日バスケ部に通い、絵を描いている。
倉山くんが、顧問の先生と部員に、私がいる意味を説明してくれたおかげで、すんなりとなじめた。
ときには、原町くんに『あいつのことすきなのか』といじられたりもする。
そのたびに、どうなのだろうと困惑しては、原町くんを困らせた。
――――倉山くんと会話をするたび、話が弾む。
だけど、忘れてはいないのだ。
初めて話す直前、彼が泣いていたことを。