没落貴族の娘なので、医者として生活費を稼いでいます!
さあ、診察のお時間です
ーーーここは毎日戦場だ。休む暇なんて全然ない。
豊かな森林と鉱物資源、底がみえるほど透き通った湖、輝く海。
人間が考える恵まれた自然すべてがそろっているといわれる国、それがここカルミア王国だった。
そんなカルミア王国の王都ミミルの端に位置する小さな診療所。
朝の八時に診察を開始すると、滝のように人がなだれ込んでくる。
「先生っ、子供が頭をぶつけてしまって!」
「おい、先生うちのばあちゃんが熱出しちまった。助けてくれ!」
「はいはい、お一人ずつ並んでくださいね」
一応営業時間は朝の8時から夜の8時だが、それを超えても多くの人がやってくるため、完全に診療を終えるのは夜の10時になる日ばかりだ。
ちゃんと営業時間内に終わったことなんて、ここ一年はない。
たまにはちゃんと休みが欲しいなあ。年中無休で働いているから、一日ぐっすり寝られる日が欲しい。
私、シエル・レティシアは2年前、16歳の時に師匠のオーガストから独り立ちして以来王都ミミルで診療所を開いている。
医者は私一人。看護師兼事務として近所に住む女性が一人、あとは見習いとして14歳の少年が一人。この三人だけで診療所を運営している。
この診療所はこの地区で唯一の診療所だから、患者も当然多い。
だから休めることもないし、とても忙しい。
三人で運営するなんてとても大変だけれど、毎日充実しているなと思う。
それに何より患者さんたちが元気になっていくのは、医者として一番の喜びだ。
豊かな森林と鉱物資源、底がみえるほど透き通った湖、輝く海。
人間が考える恵まれた自然すべてがそろっているといわれる国、それがここカルミア王国だった。
そんなカルミア王国の王都ミミルの端に位置する小さな診療所。
朝の八時に診察を開始すると、滝のように人がなだれ込んでくる。
「先生っ、子供が頭をぶつけてしまって!」
「おい、先生うちのばあちゃんが熱出しちまった。助けてくれ!」
「はいはい、お一人ずつ並んでくださいね」
一応営業時間は朝の8時から夜の8時だが、それを超えても多くの人がやってくるため、完全に診療を終えるのは夜の10時になる日ばかりだ。
ちゃんと営業時間内に終わったことなんて、ここ一年はない。
たまにはちゃんと休みが欲しいなあ。年中無休で働いているから、一日ぐっすり寝られる日が欲しい。
私、シエル・レティシアは2年前、16歳の時に師匠のオーガストから独り立ちして以来王都ミミルで診療所を開いている。
医者は私一人。看護師兼事務として近所に住む女性が一人、あとは見習いとして14歳の少年が一人。この三人だけで診療所を運営している。
この診療所はこの地区で唯一の診療所だから、患者も当然多い。
だから休めることもないし、とても忙しい。
三人で運営するなんてとても大変だけれど、毎日充実しているなと思う。
それに何より患者さんたちが元気になっていくのは、医者として一番の喜びだ。