没落貴族の娘なので、医者として生活費を稼いでいます!
「いらっしゃい!」
店に入ると、店主の威勢のいい声が聞こえてきた。
この店は第三区で一番品揃えのいい食料品店。店舗は決して広くないが、国内外から多くの食品が取り寄せられている。
天井までそびえる大きな壁付けの棚には缶詰や調味料が所狭しと並んでいるし、店には行ってすぐのところには新鮮な野菜も売っている。
が、肝心のチーズは見当たらない。そこで店主に聞こうとしたが、何しろ商品が多く一番奥のカウンターにいるであろう店主の姿は商品が邪魔でまったく見えない。
なんとか商品の山をかき分けてカウンターまで行く。
「おじさん、チーズってどこ?」
ここの店主は50代の気さくなおじさんなので、みんな親父とかおじさんと呼んでいる。
「おお、シエルか!おまえが買い物とは珍しい。チーズなら奥の保管庫にあるからとってきてやるよ、どの種類をご所望だい?」
「えっとー、ノーラさんがいつもドリア用に使っているチーズ」
「ノーラちゃんのお気に入りのチーズだな。おし、少し待ってろ!」
それだけ言うとおじさんはカウンターの後ろにあるドアを開けて奥に行ってしまった。
なんとなく手持ち無沙汰になったのでカウンターのあたりを観察していると、量り売り用の秤と数多くのスパイスが置いてあった。
スパイスは料理以外の面でも重宝する貴重なものだ。特にカルミア王国はスパイスの栽培にはあまり向いていない土地なので、どうしても他国から輸入したものばかり。
値段も高く、一般人では到底買えない。
一般市民が多く暮らすこの第三区の店でもスパイスを買うのはどこかの貴族の家くらいなもの。高価だから私も一人で暮らしてからはスパイスを買ったことはない。
「お待たせ!!お会計は500ミルだ。おまけとして少し多めに入れておいてやったよ」
「ほんとうに?ありがとう、ノーラさんも喜ぶよ」
「おう!ノーラちゃん特製のうまいドリア食って、午後からの診察も頑張れよ」
「ああ、頑張るよ。じゃあまた」
店に入ると、店主の威勢のいい声が聞こえてきた。
この店は第三区で一番品揃えのいい食料品店。店舗は決して広くないが、国内外から多くの食品が取り寄せられている。
天井までそびえる大きな壁付けの棚には缶詰や調味料が所狭しと並んでいるし、店には行ってすぐのところには新鮮な野菜も売っている。
が、肝心のチーズは見当たらない。そこで店主に聞こうとしたが、何しろ商品が多く一番奥のカウンターにいるであろう店主の姿は商品が邪魔でまったく見えない。
なんとか商品の山をかき分けてカウンターまで行く。
「おじさん、チーズってどこ?」
ここの店主は50代の気さくなおじさんなので、みんな親父とかおじさんと呼んでいる。
「おお、シエルか!おまえが買い物とは珍しい。チーズなら奥の保管庫にあるからとってきてやるよ、どの種類をご所望だい?」
「えっとー、ノーラさんがいつもドリア用に使っているチーズ」
「ノーラちゃんのお気に入りのチーズだな。おし、少し待ってろ!」
それだけ言うとおじさんはカウンターの後ろにあるドアを開けて奥に行ってしまった。
なんとなく手持ち無沙汰になったのでカウンターのあたりを観察していると、量り売り用の秤と数多くのスパイスが置いてあった。
スパイスは料理以外の面でも重宝する貴重なものだ。特にカルミア王国はスパイスの栽培にはあまり向いていない土地なので、どうしても他国から輸入したものばかり。
値段も高く、一般人では到底買えない。
一般市民が多く暮らすこの第三区の店でもスパイスを買うのはどこかの貴族の家くらいなもの。高価だから私も一人で暮らしてからはスパイスを買ったことはない。
「お待たせ!!お会計は500ミルだ。おまけとして少し多めに入れておいてやったよ」
「ほんとうに?ありがとう、ノーラさんも喜ぶよ」
「おう!ノーラちゃん特製のうまいドリア食って、午後からの診察も頑張れよ」
「ああ、頑張るよ。じゃあまた」