没落貴族の娘なので、医者として生活費を稼いでいます!
(ハーブティーと薬の飲みやすさだけはオーガストに負けない)


そんなことを考えながら、レイに渡すハーブティーをブレンドし終えるとハーブティーを缶の中に詰めて蓋をした。
前回はお試しという意味も込めてだったから量は少なめだったけど、効果があるようなので今回は多めにしておいた。



「レイ、できたよ」

先ほどブレンドし終えたばかりのハーブティー二缶を、レイが座る椅子の前にある机においた。

「ああ」

「前回よりも多く作ったからしばらくは持つと思う」

「わかった」

椅子から立ち上がったレイは机にハーブティーの代金をおく。

「それじゃあな。おい・・・ハルだっけ?途中まで送れよ」

「は?なんで・・・?!」

ハルの言うとおりなぜおくって欲しいかは謎だが、帰り道で襲われると私たちの責任が問われかれない。
以前レイとともにきた従者は私をひどく嫌っているようだったから、こちらに非がなくてもあの手この手で私の責任にしそうだ。


「何かあっても困るから。ハル、途中まで送ってあげて?」

「~~!!まあシエルさんがそういうなら・・・」

「ありがとう。お願いね」


不満そうな顔を隠すこともしないでハルはレイとともに診療所を出て行った。
私はそれを見送るとすぐにノーラさんの元に行く。

「ごめんなさい、手伝えなくて」

「大丈夫よ~。それよりハル君があんなに嫌うなんて珍しいわね」

「ええ、どうも気が合わないみたいで」

「まあ人間相性が良くない人は少なからずいるわ。それより器、出してくれる?」

「はい」

ノーラさんに言われて私は昼食作りの手伝いをするのだった。
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