ウィスタリア学園
私の名前が違うのは親の命令だからね。


本名は、華月院舞姫(かげついんまいひめ)。

そして、ウィスタリア学園で通う時の名前が、藤咲舞姫(ふじさきまいひめ)ってこと。


電話が終わったのか、門番の人が声を掛けて来た。

「疑ってすまなかったな。お前はれっきとした生徒だったよ。」

何故疑う?まぁ、当たり前か。

「そうですか。なら、良かったです。」

「確か、普通科の先生が来るから待っとくといいよ。」

「分かりました。ありがとうございます」
そう言って私は門番さんに礼をした。

「あの、門番さん。さっき私に、”疑ってすまなかった。”と言ってましたが何故なんですか?」


少し、時間があるみたいだから、別に疑うのは当たり前だけど、少し気になったから聞いてみた。


「それはな、この学園って政府が作ったってのは知っているか?」

「はい。」
私は頷いた。


門番さん曰く、政府が作った学園だから、この学園に入学したい生徒は多い。そして、この学園に入学出来るのは、限られた特別な力を持っている者達である事。


ここまでは、当たり前に普通に知っている事。だって私は華月院家の1人だからね。私が驚いたのはその後の話だった。


「お金持ちのお坊ちゃまやお嬢様達が入学出来ないからって、チャチャを入れにくるんだ。他にも文句を言ったり、不法侵入をしたり………ってね。」


不法侵入って………


「権力があるからこそ、プライドが許さないんですね。」

「そう言う事さ。」

「政府が作った学園だからこそ、親達は私達子供をこの学園に通わせようとするんだ。」

この学園の本当の意味を知らずに…………



「お前、中々凄い奴だな。気に入ったぜ。」

「ん?」

「俺は、ここの門番をしている齋藤和真(さいとうかずま)って言うんだ。俺は、この学園1の情報網だから聞きたい事があったら何でも聞きに来いな。」


情報屋みたいな人だなぁ。


「齋藤和真さんですね。学園1の情報網って、”情報屋”みたいですね。」

っと言うと、凄く笑いだした。

「ハハっ”情報屋”かぁ。お前、凄いな。」
と、呑気に言っている。

私の耳元で「当たりだ」っと答えた。

「俺の事は和真でいい。さんもなくていいからな。後、敬語もなくていい。何か欲しい情報があれば俺に頼ってくれよな。”華月院舞姫”さん。」

!?あらまバレていましたか。


「フフ流石は情報屋だね。私の事はこれでお願いします。」
私は人差し指を唇に当てて「シー」と言った。


「あぁ。分かったぜ。きっと、俺と学園長と一部の先生以外にお前が華月院である事を他の奴らは知らないようだからな。」

「助かるよ和真。」

「おっと、先生が来たみたいだな。頑張れよ」

校舎から、先生がやって来た。


「ハハ言われなくても頑張るよ。ありがとう和真。何かあれば君に頼る。」

私は、やって来た先生と一緒に職員室に向かった。

それにしても、情報屋がいるとは……ね。楽しくなりそうフフ
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