恋の宝石ずっと輝かせて2
「それなら二人で行こう。どうせ訊くなら、今から行こう。僕たちは少しの時間も無駄にできない」
仁は力をこめる。
「わかったわ。善は急げね」
「あっ、でも手ぶらじゃまずいかな」
「それだったら父宛に届いたお中元がいくつかあるんだけど、それもって行こう」
「いいのかい?」
「中身が重複してるのもあるから全然構わない。渡すときはもらい物ですけど、お昼を頂いたお礼にとか言えばいいんじゃない? とにかく祠の場所が訊ければいいんだから」
二人は黄昏の中、顔を見合わせて頷いた。
一度家に戻り、素麺の詰め合わせの箱をユキの自転車のカゴに放り込んで、二人は殆ど暗くなった夜道を目的地目指してペダルを漕いでいた。
「あっ、蛍だ」
緑色の小さな光が一つ、淡く儚げにユキの目の前を横切った。
「昔はこの辺りにもっといたんだけどね。山の小川の方に行けばまだまだ沢山生息してるかも」
仁の目の前にもすっと蛍が現れた。
「私は少し離れてたからこの地域のこと把握し切れてないけど、ニシナ様っていう山神様はずっと崇められていたの?」
「僕も地元ながらなんとなくしか知らないんだ。小さい頃は悪さをしたら山神様が懲らしめに来ると脅かされたレベル。地域独特の民話とか神話も聞いた覚えはあるんだけどうろ覚えになってるし」
「そういえば、私もこの辺りの狐や狸が人を化かすって小さい頃に父から聞いた覚えがある。本当にそういう動物は居たんだね」
ユキにとっては感慨深い。
仁は力をこめる。
「わかったわ。善は急げね」
「あっ、でも手ぶらじゃまずいかな」
「それだったら父宛に届いたお中元がいくつかあるんだけど、それもって行こう」
「いいのかい?」
「中身が重複してるのもあるから全然構わない。渡すときはもらい物ですけど、お昼を頂いたお礼にとか言えばいいんじゃない? とにかく祠の場所が訊ければいいんだから」
二人は黄昏の中、顔を見合わせて頷いた。
一度家に戻り、素麺の詰め合わせの箱をユキの自転車のカゴに放り込んで、二人は殆ど暗くなった夜道を目的地目指してペダルを漕いでいた。
「あっ、蛍だ」
緑色の小さな光が一つ、淡く儚げにユキの目の前を横切った。
「昔はこの辺りにもっといたんだけどね。山の小川の方に行けばまだまだ沢山生息してるかも」
仁の目の前にもすっと蛍が現れた。
「私は少し離れてたからこの地域のこと把握し切れてないけど、ニシナ様っていう山神様はずっと崇められていたの?」
「僕も地元ながらなんとなくしか知らないんだ。小さい頃は悪さをしたら山神様が懲らしめに来ると脅かされたレベル。地域独特の民話とか神話も聞いた覚えはあるんだけどうろ覚えになってるし」
「そういえば、私もこの辺りの狐や狸が人を化かすって小さい頃に父から聞いた覚えがある。本当にそういう動物は居たんだね」
ユキにとっては感慨深い。