恋の宝石ずっと輝かせて2
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玄関の引き戸が開けられると、黒い人影が現れた。
逆光で顔は見えなかったが、そのシルエットから瞳の母親、花梨だと仁は思った。
門の前で騒がしくしてたのを気づかれてしまったのか。
花梨が一歩外へ出たとき、仁とユキの体は強張った。
近づいてくると思ったその時、かりんは隅に祀られた小さな祠へと足を進めた。
仁はユキと顔を見合わせほっと一息ついた。
その時、拍手を打つ音が聞こえ、ふたりはまた花梨に視線を向けた。
花梨は熱心に祈りを捧げ、ぶつぶつと何かを言っている様子だった。
それが終わって顔を上げたとき、思いつめるようにじっと前を見据えている。
薄闇の中、花梨が暫く突っ立っている様子は、仁とユキにも異常に見えた。
息を潜めて花梨が何をしているのかふたりは様子を探るが、花梨は一向に動こうとしない。
小さな祠と対峙して、何かを迷っているように思える。
いつまでそうしているつもりなのか、花梨自身もため息を吐いて決めかねているようだった。
そして、やっと覚悟を決めたのか、ゆっくりと距離をつめ、祠の扉に震える手をかけようとした。
仁もユキも盗み見をしているだけに、心臓がドキドキとしてとても落ち着かない。
花梨は何をしようとしているのだろう。
祠の扉を花梨が開こうとした瞬間、楓太が「ワン」と吼えて花梨の足元に駆け寄った。
花梨ははっとして、身を縮ませる。
「もう、楓太たら、突然脅かさないでよ。ほら、あっちにお行き」
しかし楓太は何度と吼え続けていた。
玄関の引き戸が開けられると、黒い人影が現れた。
逆光で顔は見えなかったが、そのシルエットから瞳の母親、花梨だと仁は思った。
門の前で騒がしくしてたのを気づかれてしまったのか。
花梨が一歩外へ出たとき、仁とユキの体は強張った。
近づいてくると思ったその時、かりんは隅に祀られた小さな祠へと足を進めた。
仁はユキと顔を見合わせほっと一息ついた。
その時、拍手を打つ音が聞こえ、ふたりはまた花梨に視線を向けた。
花梨は熱心に祈りを捧げ、ぶつぶつと何かを言っている様子だった。
それが終わって顔を上げたとき、思いつめるようにじっと前を見据えている。
薄闇の中、花梨が暫く突っ立っている様子は、仁とユキにも異常に見えた。
息を潜めて花梨が何をしているのかふたりは様子を探るが、花梨は一向に動こうとしない。
小さな祠と対峙して、何かを迷っているように思える。
いつまでそうしているつもりなのか、花梨自身もため息を吐いて決めかねているようだった。
そして、やっと覚悟を決めたのか、ゆっくりと距離をつめ、祠の扉に震える手をかけようとした。
仁もユキも盗み見をしているだけに、心臓がドキドキとしてとても落ち着かない。
花梨は何をしようとしているのだろう。
祠の扉を花梨が開こうとした瞬間、楓太が「ワン」と吼えて花梨の足元に駆け寄った。
花梨ははっとして、身を縮ませる。
「もう、楓太たら、突然脅かさないでよ。ほら、あっちにお行き」
しかし楓太は何度と吼え続けていた。