恋の宝石ずっと輝かせて2
「さっき出てきた人は、花梨さんの旦那さんみたいだったけど、楓太は旦那さんに何かを知らせたかったのかい?」
仁が訊いても楓太は一度大きな欠伸をしただけでその質問には答えなかった。
「おい、楓太。教えてくれよ」
「言っただろう。拙者の立場では話せないことがあるって。後は自分で考えな。これでもお前さん達に沢山のヒントを与えたつもりだ」
楓太は前庭を通って家の裏へと去っていった。
人の家なので奥まで追いかけることもできず、もどかしい気持ちを抱えながらふたりは楓太が闇に飲まれていくのをただ指をくわえてみているだけしかなかった。
「仁、ここでこんなことしてたら、怪しいものと間違えられる。どうする? 花梨さんに会いに行く?」
ユキが決断を迫った。
仁は楓太の行動を思い出しながら祠を見つめてじっと何かを考えていた。
「ねぇ、仁、聞いてるの?」
「えっ、ああ、そうだな」
仁は困惑していた。
「ちょっと仁、ちゃんと考えてる?」
「ちゃんと考えてるよ。考えてもわからないんだよ。もうこうなったら直接聞くしかない。これから僕、これを届けてくる。きっと家に上がれっていわれると思うから、僕はその時、八十鳩家に纏わる山神様の話をそれとなく聞いてくる。その間、ユキはあの祠を調べてくれないか」
「えっ? あれを私が調べるの?」
ユキは躊躇う。
仁が訊いても楓太は一度大きな欠伸をしただけでその質問には答えなかった。
「おい、楓太。教えてくれよ」
「言っただろう。拙者の立場では話せないことがあるって。後は自分で考えな。これでもお前さん達に沢山のヒントを与えたつもりだ」
楓太は前庭を通って家の裏へと去っていった。
人の家なので奥まで追いかけることもできず、もどかしい気持ちを抱えながらふたりは楓太が闇に飲まれていくのをただ指をくわえてみているだけしかなかった。
「仁、ここでこんなことしてたら、怪しいものと間違えられる。どうする? 花梨さんに会いに行く?」
ユキが決断を迫った。
仁は楓太の行動を思い出しながら祠を見つめてじっと何かを考えていた。
「ねぇ、仁、聞いてるの?」
「えっ、ああ、そうだな」
仁は困惑していた。
「ちょっと仁、ちゃんと考えてる?」
「ちゃんと考えてるよ。考えてもわからないんだよ。もうこうなったら直接聞くしかない。これから僕、これを届けてくる。きっと家に上がれっていわれると思うから、僕はその時、八十鳩家に纏わる山神様の話をそれとなく聞いてくる。その間、ユキはあの祠を調べてくれないか」
「えっ? あれを私が調べるの?」
ユキは躊躇う。