恋の宝石ずっと輝かせて2
「ああ、そうじゃ。カジビが見つかったらすぐに手伝わせて貰うが、その、なんというか、準備じゃが……」

 セキ爺は少し言い難そうに語尾が弱まる。

 ユキは少し首を傾げていたが、仁が覆いかぶさるように言った。

「はい。その問題については全て僕が準備します。カジビが見つかりましたら、どうかよろしくお願いします」

「そうか、そっちが準備できてるなら何もいうことないわい。それじゃできるだけ早くカジビを見つけないと。皆にも探すように合図を送ってみる。そして他の山にも使者を向かわそう。大々的に捜索願いを出すつもりじゃ」

「宜しくお願いします」

 これでまた一歩前に進んだようだ。

 セキ爺たちが去った後、仁は力が抜けたようにソファーに座り込んだ。

 ユキは気遣って後ろに回って仁の肩をもみ出した。

「仁、お疲れ。一度に事が運んだ感じだったね」

「ああ、なんかどどって疲れがやってきた感じだ。ああ、そこ気持ちいい」

 ユキのマッサージに仁は目を瞑って受けている。

「ねぇ、いくつか分からない事があるんだけど、さっきのあの石、なんで赤い光を発光してたんだろう。もう一度見せて」

 肩を揉んでいたユキの手が止まる。

 仁は石を取り出し自分の掌の上に載せて見せたが、ユキが手にしようとすると、引っ込めた。

「ユキは触っちゃだめだ。またトイラの力が強くなって、ユキの意識が引っ込んでしまうかもしれない」

 ユキはなんだか納得いかない気持ちで不満げにしていた。

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