恋の宝石ずっと輝かせて2
カネタが向かった先は八十鳩家だった。呼び鈴を押して花梨を呼び出す。
足元では楓太が威嚇の姿勢をとって牙をむき出して唸っている。
カネタも鋭く睨み返し、それに応戦していた。
花梨が玄関の戸を開けると、カネタの敵意は心の奥に隠れ何もなかったように無表情になっていた。
「あっ、カネタさん。これっ、楓太、失礼でしょ。あんたどっか行きなさい」
花梨が足で蹴るフリをすると、楓太は唸りながら後ずさりした。
「いつもいつもすみませんね」
「いいんです。あの、少し聞きたいんですけど、ニッタジンって知ってますか?」
「ええ、新田さんですね。知ってますよ。何かあったんですか?」
「いえ、昨日、出会ったんですけど、その時落し物をされたみたいでそれを届けたいんです。どこに連絡したらいいか分かりませんか?」
花梨は仁から聞いた話を思い出した。脅かされてその時に何かを落としたんだろうと、その話をすっかり信じ込んだ。
「そうね、ええっと。新田さんの連絡先は瞳が帰ってきたらわかるかもしれないけど、うーん、私は新田さんのお友達の連絡先しかわからないわ。春日ユキさんって言うんだけど」
「ああ、あの女の子ですね。ちょっとボーイッシュな感じの」
髪がショートボブで元気そうな印象だったので花梨もつい頷いた。
「そのカスガさんっていう女の子の連絡先教えてもらえませんか?」
「えっと、でも人に教えていいものか」
花梨が渋っていると、カネタは少しいらついて体に力が入った。
それを敏感に感じ取って、後ろで楓太が激しく吠え出した。
足元では楓太が威嚇の姿勢をとって牙をむき出して唸っている。
カネタも鋭く睨み返し、それに応戦していた。
花梨が玄関の戸を開けると、カネタの敵意は心の奥に隠れ何もなかったように無表情になっていた。
「あっ、カネタさん。これっ、楓太、失礼でしょ。あんたどっか行きなさい」
花梨が足で蹴るフリをすると、楓太は唸りながら後ずさりした。
「いつもいつもすみませんね」
「いいんです。あの、少し聞きたいんですけど、ニッタジンって知ってますか?」
「ええ、新田さんですね。知ってますよ。何かあったんですか?」
「いえ、昨日、出会ったんですけど、その時落し物をされたみたいでそれを届けたいんです。どこに連絡したらいいか分かりませんか?」
花梨は仁から聞いた話を思い出した。脅かされてその時に何かを落としたんだろうと、その話をすっかり信じ込んだ。
「そうね、ええっと。新田さんの連絡先は瞳が帰ってきたらわかるかもしれないけど、うーん、私は新田さんのお友達の連絡先しかわからないわ。春日ユキさんって言うんだけど」
「ああ、あの女の子ですね。ちょっとボーイッシュな感じの」
髪がショートボブで元気そうな印象だったので花梨もつい頷いた。
「そのカスガさんっていう女の子の連絡先教えてもらえませんか?」
「えっと、でも人に教えていいものか」
花梨が渋っていると、カネタは少しいらついて体に力が入った。
それを敏感に感じ取って、後ろで楓太が激しく吠え出した。