恋の宝石ずっと輝かせて2
第二章 再会と探し物
1
ユキが安楽椅子から突然身を起こしたとき、仁はソファーに深く腰掛け天井を仰いでいた。
その顔色は青く、何かについて思い悩んでいる。
夏は日暮れが遅いと思っていたが、窓の外はすでに真っ黒になっており、時計は疾うに9時を過ぎていた。
「ごめん、もしかして私寝てた?」
ユキは自分の失態に驚き、仁が帰るに帰れなかったことを申し訳なく思う。
「いや、いいよ。ごめん。僕の方こそ、長居してしまって。起こそうと思えば起こせたのにね。僕の方がそうしなかったんだ」
「ほんとに今日は失礼なことばっかりしてしまって、ごめん」
「それはもういいよ。ユキは何も悪くないから。ねぇ、ユキ……」
仁は真剣な眼差しで何かを言おうとしたが、どうしてもその先が言えなかった。
顔を歪め、その表情は言いたくても言えず、葛藤しているのが透けて見えるほど心乱れている。
「どうしたの、仁?」
「僕はどうしたらいいんだろう。やっぱりそんなことできないよ。僕ならできるだなんて」
その支離滅裂な仁の問いかけは誰に向けられているのかはっきり分からない。
ユキは困惑しながら仁を見つめていた。
「もしかして、それってこれから離れた方がいいってこと?」
「違う、違うんだ。いや、なんでもない。とにかく僕帰る」
仁は立ち上がり、つい逃げ腰になり玄関へと走っていった。
「仁、一体どうしたの?」
黙って座り込んで靴を履いている仁の背中が震えていた。
一度は冷静になるために黙って帰ろうとしたが、どうしても怒りが湧き起こって我慢できなくなってくる。
このまま黙って帰れば相手の思う壺に思えてしまい、仁はとうとう爆発して自棄を起こしてしまった。
ユキが安楽椅子から突然身を起こしたとき、仁はソファーに深く腰掛け天井を仰いでいた。
その顔色は青く、何かについて思い悩んでいる。
夏は日暮れが遅いと思っていたが、窓の外はすでに真っ黒になっており、時計は疾うに9時を過ぎていた。
「ごめん、もしかして私寝てた?」
ユキは自分の失態に驚き、仁が帰るに帰れなかったことを申し訳なく思う。
「いや、いいよ。ごめん。僕の方こそ、長居してしまって。起こそうと思えば起こせたのにね。僕の方がそうしなかったんだ」
「ほんとに今日は失礼なことばっかりしてしまって、ごめん」
「それはもういいよ。ユキは何も悪くないから。ねぇ、ユキ……」
仁は真剣な眼差しで何かを言おうとしたが、どうしてもその先が言えなかった。
顔を歪め、その表情は言いたくても言えず、葛藤しているのが透けて見えるほど心乱れている。
「どうしたの、仁?」
「僕はどうしたらいいんだろう。やっぱりそんなことできないよ。僕ならできるだなんて」
その支離滅裂な仁の問いかけは誰に向けられているのかはっきり分からない。
ユキは困惑しながら仁を見つめていた。
「もしかして、それってこれから離れた方がいいってこと?」
「違う、違うんだ。いや、なんでもない。とにかく僕帰る」
仁は立ち上がり、つい逃げ腰になり玄関へと走っていった。
「仁、一体どうしたの?」
黙って座り込んで靴を履いている仁の背中が震えていた。
一度は冷静になるために黙って帰ろうとしたが、どうしても怒りが湧き起こって我慢できなくなってくる。
このまま黙って帰れば相手の思う壺に思えてしまい、仁はとうとう爆発して自棄を起こしてしまった。