恋の宝石ずっと輝かせて2
第三章 解決方法があっても
1
「あんたがトイラかい? 話はキイトから聞いている」
セキ爺は用心深く、トイラの意識が支配したユキの表情を眺めていた。
「全てを聞いているなら話は早い。はっきり言って俺はあんたらの問題に巻き込まれてしまった。俺の眠りを邪魔をした奴がいる。そいつが言うにはカジビを探せと言ってきた。そうすれば俺を助けてやるだとさ」
ユキの体を借りて見かけはユキであっても、それはトイラらしくあたかも面倒臭いと言わんばかりにセキ爺に食って掛かっていた。
「おい、トイラ。もう少し礼儀正しくしろよ。ユキの体だってこと忘れるなよ」
「ああ、分かってるよ、仁。だが、この爺さんがしっかりとニシナ様とやらを守れなかったせいで、俺はなんだかとばっちりを受けた気になってしまう」
「それは申し訳ないのう。しかし、こちらも言い分がある。去年の騒ぎを黙って見逃していたことを忘れないで欲しい。あんなことをされては山のものは危機を感じてあんたたちと戦を挑んでいたかも知れぬ。それを押さえ込まれたのはニシナ様じゃ。あの方の理解があったからこそ、あんたらは命拾いした」
それを言われるとトイラは言葉に詰まってしまった。
確かにあの時、好きに使えと提供されていることをトイラは嗅ぎ取っていた。
それが山の神、ニシナ様の意向だった。
「あんたがトイラかい? 話はキイトから聞いている」
セキ爺は用心深く、トイラの意識が支配したユキの表情を眺めていた。
「全てを聞いているなら話は早い。はっきり言って俺はあんたらの問題に巻き込まれてしまった。俺の眠りを邪魔をした奴がいる。そいつが言うにはカジビを探せと言ってきた。そうすれば俺を助けてやるだとさ」
ユキの体を借りて見かけはユキであっても、それはトイラらしくあたかも面倒臭いと言わんばかりにセキ爺に食って掛かっていた。
「おい、トイラ。もう少し礼儀正しくしろよ。ユキの体だってこと忘れるなよ」
「ああ、分かってるよ、仁。だが、この爺さんがしっかりとニシナ様とやらを守れなかったせいで、俺はなんだかとばっちりを受けた気になってしまう」
「それは申し訳ないのう。しかし、こちらも言い分がある。去年の騒ぎを黙って見逃していたことを忘れないで欲しい。あんなことをされては山のものは危機を感じてあんたたちと戦を挑んでいたかも知れぬ。それを押さえ込まれたのはニシナ様じゃ。あの方の理解があったからこそ、あんたらは命拾いした」
それを言われるとトイラは言葉に詰まってしまった。
確かにあの時、好きに使えと提供されていることをトイラは嗅ぎ取っていた。
それが山の神、ニシナ様の意向だった。