ロスト・ラブ


──ブーッ、ブーッ。

「もう、なに……」


再びスマホが震えて、しぶしぶ目を開けた。


「……っえ、」

が、画面に表示された名前に、一気に脳が覚醒する。


な、なんで。


そこに表示されたのは、追加されてるだけで一度もやり取りをしたことのなかった人の名前。


【颯太:おいてくぞ】



びっくりしすぎて、メッセージの内容なんてそっちのけだ。


え、ちょ、え……?

こんな寝起きで変なサプライズしないでほしい。


頭が追い付くはずもない。


「って、『おいてく』って……」


その画面の上に表示された時刻が目に入って、次はまた違う意味で驚いた。


「えっ、やば……!」


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