ロスト・ラブ
「……で、どこで勉強する?」
少ししたところで、須藤くんがけろっとした顔でそう言ったから思わず目を丸くした。
「え、あれは口実だったんじゃ……?」
驚いたのは胡桃も同じらしくて、目を丸くして須藤くんを見上げる。
てっきりさっきの内田くんとの仲介に入ってくれた時の適当な嘘だと思っていたのに、どうやら彼は本気らしかった。
「だって、また誘われるかもだし。僕たちといた方が誰も近寄ってこれないよ」
そう自信たっぷりに言うのには、ちゃんと理由があることはわかってる。
「ね?颯太」
「……まぁ、そうだな」
颯太まで珍しく頷くものだから、なんだか断る雰囲気にもなれなくて。
「どうする?胡桃」
「茜ちゃんがいいなら、胡桃はいいよ」
胡桃の了承も得たところで、私たち4人は一緒にテスト勉強をすることになった。