ロスト・ラブ


その時から、もうすでに胸がざわついて仕方なくて。


茜が見つかったと知らせが入ったのは、20時過ぎだった。


ホッとしたのも束の間。

戻ってきたのは、何故か母さんと父さんだけだった。


おばさんと茜が帰ってこない。


冷汗がたらりと垂れて、ガキながらに何かがあったことを悟った。


やっと隣の家の電気がついたのは、23時を回ろうとしている時だった。


「なぁ父さん。教えてくれよ!何かあったんだろ!?」


自分でもこんなに感情的になったのは初めてだったかもしれない。

口を開こうとしない母さんにしびれを切らして、すごい剣幕で父さんに詰め寄ったことは今でも覚えてる。


< 152 / 285 >

この作品をシェア

pagetop