ロスト・ラブ
その時から、もうすでに胸がざわついて仕方なくて。
茜が見つかったと知らせが入ったのは、20時過ぎだった。
ホッとしたのも束の間。
戻ってきたのは、何故か母さんと父さんだけだった。
おばさんと茜が帰ってこない。
冷汗がたらりと垂れて、ガキながらに何かがあったことを悟った。
やっと隣の家の電気がついたのは、23時を回ろうとしている時だった。
「なぁ父さん。教えてくれよ!何かあったんだろ!?」
自分でもこんなに感情的になったのは初めてだったかもしれない。
口を開こうとしない母さんにしびれを切らして、すごい剣幕で父さんに詰め寄ったことは今でも覚えてる。