ロスト・ラブ
新学期が始まって、1週間が経った。
「……なんでいるのよ」
「仕方ねぇだろ。同じ方向なんだから」
今日も、学校へ登校する私の後ろには、颯太がいる。
もう慣れた。
けど、なんでこうもいつも登下校のタイミングが被るのかがわからない。
時間をずらして早めに登校しようと試みても、決まって颯太の登校時間と重なる。
その度にお互い文句を言うのはもう恒例化しつつあった。
「あーあ。なんで今日もお前と時間被るんだよ」
「そんなのこっちのセリフよ」
「たまには1人の景色味わって登校したいもんだな」
「あっそ」
今日も今日でむかつく。
そんなに私の存在がうっとうしいなら、さっさと抜かして行けばいいのに。