ロスト・ラブ

「茜ちゃんの柳くんへの本心がずっと見えてなかったけど、これでようやくわかったよ」


胡桃はそう言って手を離すと、私の目をしっかりと見てニコリと笑った。


「茜ちゃんは、柳くんのことが好きなんだね」


それは、とってもシンプルな言葉。

それなのにそんなにストレートに面と向かって言われるものだから、顔に熱が集中していくのがわかった。


「あ～！茜ちゃん顔赤いよ？」

「だっ……、だって胡桃が急に変なこと言うから！」


胡桃に指摘されると、また余計に顔が火照る。


もう、胡桃のバカ。

そんなこと改めて言わなくたっていいのに。


「ね？やっぱりそうなんだよね？」


こういうときの胡桃は結構グイグイ来る。


あー……もう。

「うん……好き。小さい頃から、ずっと」


観念して言ったその言葉は、自分でも情けないくらいに小さな声だった。