ロスト・ラブ


う……恥ずかしすぎる。


面と向かって胡桃の顔が見れるわけもなく、思いっきり下を向く。


「て、ていうか、私、胡桃に言ってなかったっけ……?」

「ん~、聞いたような気はするけど、こんなにはっきり聞いたのは初めてかな」


あっけらかんとした様子の胡桃に、なんだかやられたような気分。


「ふふっ、茜ちゃん可愛い」

「……うるさい」


それからしばらくは、胡桃にニコニコ顔で見つめられる時間が続いた。




「あれ、今日は篠原も一緒?」

放課後になって、一緒に帰る予定だった颯太が不思議そうな顔で私たちを見た。


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