ロスト・ラブ

***


「な、なんとか決まってよかったね~」

「ね。胡桃はあの班で大丈夫そう?」

「うん!斉藤さんと荒川さんと仲良くなって見せるんだぁ」


そのあとは各自席に戻って、いまは部屋割りを決めているところだった。

1部屋2~3人という決まりで、もちろん私と胡桃が同室。


誰よりも早く決まった私たちは、他のクラスメイト達が決まるまで、さっきの班決めの話をしていた。


「胡桃は強いね」

「ううん。茜ちゃんがいてくれてるからだよ」


えへへ、と笑う彼女は、本当に強い子だと思う。


女子から遠巻きにされても、好き放題言われても、胡桃がその女子たちを悪く言ったことなんて一度もない。


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