ロスト・ラブ
「……やっぱり、私が颯太を縛ってるんだよね」
「え……?」
思わずこぼれた本音。
須藤くんは中学の頃から颯太といたみたいだし、きっと今の颯太のことは彼が一番よくわかってるのかもしれない。
「えーっと……?もしかして君ら、なんか回りくどいことになってる?」
「え?」
そう思っていたら、目の前の須藤くんがものすごく不思議そうに首を傾げるものだから、私もつられて首を傾げてしまった。
「え、何やってんの、あの不器用男」
「須藤くん?」
何やらブツブツ言っているようだけれど、うまく聞き取れない。
「はぁ~……。まぁいいや。沢野さん、ちょっと隣座っていい?」
「え?あ、うん。どーぞ」
私の座っていたところから人ひとり分の距離を取って、須藤くんは隣に座った。